（５）トレンチ調査
トレンチ調査は田中地区で行い、判読されたリニアメントに近い位置で断層を確認した。断層は高角度の傾斜を示す。断層による大きな垂直変位は認められず、１４Ｃ年代測定の結果、 ２ 万年前頃堆積したチャネル堆積物の西壁で変位が ５ ｍ 程度の右横ズレが確認された。 この断層は ＡＴｎ に変位を与えているが、アカホヤ火山灰を含む黒色土層には変位をもたらしていないことが確認された。チャネル堆積物の裂か充填物の分布から、２〜３ 回の断層活動が確認された。この結果から、この断層の最新活動時期は ＡＴｎ 堆積以降で、アカホヤ火山灰堆積前の ２．２ 万年以降、６．３ 千年以前である。また、この間の断層活動は ２〜３ 回である。