本調査が対象とする断層は、熊本市の南側郊外の木山川左岸の山麓を北東〜南西に延びる「布田川断層帯」と熊本市内を北東〜南西に延びる「立田山断層」の 二条である(図1−1−1)。
布田川断層帯は、布田川断層(北向山断層(渡辺、1972)を含む)、北甘木断層および木山断層からなる。木山断層を除く布田川断層帯は、長陽村立野から西原村布田、益城町下陳を通過し、熊本市北甘木に至る 23.5 km の断層で、人口密集地の熊本市近郊を通る断層である。確実度はT〜U である。
立田山断層は熊本市街地を通り、1989 年(明治 22 年) 7 月28日に発生した熊本地震(M=6.3)の起震断層である可能性が指摘されている(久保寺ら、1986)。
2 調査目的
本調査は布田川断層帯(立田山断層を含む)について、地形・地質調査、物理探査、ボーリング調査、トレンチ調査などを実施して、その活動履歴ならびに詳細な地質構造を明らかにすることにより、地震防災に関する基礎資料を得ることを目的とする。
3 調査対象地域
調査対象地域は、前述の布田川断層帯(立田山断層を含む)分布地域およびその延長と考えられる海域である(図1−1−1)。
4 調査期間
平成 8 年 3 月 28 日から 12 月 25 日
5 調査委員会の構成
活断層調査の実施に関して、専門的・技術的な事項についての検討を行い、調査の遂行に当たって指導・助言を与えるため、平成 7 年12年28日、「熊本県地域活断層調査委員会」を設置した。以下に、委員の名前を列記する。
委員長 松田 時彦 熊本大学理学部教授
委 員 渡辺 一徳 熊本大学教育学部教授
委 員 千田 昇 大分大学教育学部教授
委 員 中田 正夫 九州大学理学部教授
委 員 長谷 義隆 熊本大学教養部助教授
委 員 小池 克明 熊本大学工学部助教授
委 員 下川 浩一 地質調査所主任研究官
事務局 熊本県総務部防災消防課
なお、委員会の開催時期は表1−1−1 に示す。
6 調査機関
(株) パスコ 〒812 福岡市博多区博多駅東 3−13−28 TEL 092−414−0351
管理技術者:中嶋 精
担 当 者:中川 雅之、新福 修、濱口 真治、松下 隆史、飯島 康夫、田中 竹延、大堀 健司、宮脇 理一郎、宮脇 明子、百瀬 貢
表1−1−1 委員会の開催時期
7 調査項目と数量
調査項目と数量を表1−1−2 に示す。
表1−1−2調査数量一覧