1−3−1 娑婆神峠以北(益城町小池〜娑婆神峠)地域

娑婆神峠北部の地形は、北部の「船野山(308m)」「飯田山(431m)」に代表される低位山地の山麓とそれに連なる丘陵地形(標高100m以上)、さらには阿蘇火砕流堆積物(標高100m〜30m)・段丘堆積物(標高100m〜30m)から構成される台地や段丘地形を基本とする。これらの地形は、緑川とその支流により開析され沖積低地面(標高5m〜15m)を形成している。

これら河川の流下方向は北部では南東→北西方向であり、日奈久断層と直行する関係にあるため、断層の延長方向には台地〜段丘地形と沖積低地とが交互に繰り返した地形条件となっている。一方、城南町「鰐瀬」から南方では「浜戸川」が南西→北東方向に流下し、日奈久断層の方向と平行するため、地形的には沖積低位面と低位段丘に代表される。さらに南方の豊野村「陣」からは、「白岩山(221m)」「城山(282m)」に代表される低位山地地形へと連続し、娑婆神峠に至る地形となっている。

当地域の地質は、北部山地部は基盤岩である中生代(白亜紀)御船層群の砂岩・頁岩・凝灰岩から構成されるほか、台地から高位丘陵−Aso−4火砕流堆積物、段丘−段丘堆積物(砂礫層)から構成される。また、南方の娑婆神峠に至る山地部は古生代の肥後変成岩類に属する変麻岩から構成される。