活断層研究会(1991)では、布田川−日奈久断層系は、総延長88q以上、右横ずれを伴う活動度B級の活断層としている。活断層研究会(1991)によれば、布田川断層は大分−熊本線を構成する断層の一つで、この断層の活動は大分−熊本線の新期活動を示すものと考えられている。一方、 日奈久断層は、中央構造線(活)断層系あるいは西南日本中央活構造線(帯)の一部を構成しているとされる。
図1−2−1−2ならびに表1−2−1−1に、活断層研究会(1991)をもとに日奈久断層を巨視的に総括したものを挙げる。図1−2−1−2に示すように、日奈久断層は陸上部では延長50q越え、海中を含めた総延長は約66qに及ぶ。
九州活構造研究会(1989)ならびに活断層研究会(1991)などによると、日奈久断層系に属する活断層は、九州山地と平野の境界に沿っておよそ北東−南西方向に並行または雁行している(図1−2−1−2参照)。その活動様式は、右ずれが卓越しており、鉛直的には北西側低下が認められ、確実度T〜Uであり、活動度はB級の活断層とされている(図1−2−1−2、表1−2−1−1参照)。