U層の年代測定は行っていないが、その下位のV層上面に江戸時代末期の陶器の破片が混入することから、その時代は、江戸時代以降であることは確実である。
V層中からは、2つの木片を採取し、1,630yBP・4,630yBPの年代値を得た。このうち、古い値は、後述のWa層中の木片の年代値と酷似することから、古い木片が再堆積した可能性が高い。したがって、V層の年代は、約1,600yBPであると考えられる。Wa層・Wb層からは、それぞれ4,490yBP・31,150yBPの年代値を得た。
本トレンチ壁面に出現した地層は、最終氷期後半の約32,000yBP〜江戸時代までに堆積したものである。V層は約1,600yBPに、Wa層は約4,500yBPに、Wb層は約32,000yBP前後に堆積したと推定される。Wa層とWb層との間には、比較的長い堆積間隙がある。
表6−2 年代測定値(志井地区)