(4)W層

W層は、V層に不整合に覆われる礫層であり、最大径約20cmの亜角礫〜亜円礫を主体とする。礫は新鮮で風化は進んでいない。本層中には、比較的明瞭な層理が発達している。V層と比較して、礫層のマトリックスは細粒でシルト質である。とくに、W層の下半部はマトリックスは泥質で、礫層中には顕著なシルト〜粘土のレンズも認められる(E2.2−E3/3.2)。

このような層相の違いによって、W層をWa層とWb層に細分した。ただし、両者の境界はそれほど明瞭ではない。細粒なマトリックスは、風化が進んでいることを示す可能性がある。しかしながら、礫は非常に新鮮であるため、初生的に細粒なマトリックスから構成されていると考えられる。E面において、Wa層・Wb層中から、それぞれ木片・腐植を少量ずつ採取できたが、本層中に含まれる有機物は極めて少量である。