(3)V層

V層は、U層に整合的に覆われる礫層である。礫の最大径は20cm程度であり、亜角礫〜亜円礫を主体とし、後述のW層およびX層を不整合に覆う。礫は新鮮で風化は進んでいない。一部には軽微なラミナの切り合いも認められる。

本層の最上部には土壌化した部分があり、有機物が集積している(N1−N4/1.7,S1−S3/1.8)。このうち、N面の腐植層の中から、江戸時代末期(19世紀)の唐津焼の破片が産出した(N1.7/1.8)。陶器の鑑定は、栗山 伸司氏(北九州市教育委員会)による。したがって、本層上面は、江戸時代末期の生活面であると考えられる。また、V層上面から約40cmの深度の位置には、木片を含む埋没腐植土層がある(N1−N1.3/2)。