S面においては、W層は1.3〜0.4mの深度に現れているが、北方へ高度を減じてN面では1.8m程度以下のトレンチ床付近に見られる。これは、S面はV層堆積時の谷壁斜面に、N面は谷底中央付近に位置するためであると考えられる。
W層には、礫を主体とする部分と、礫の含有率が少なく粘土〜シルトから成る部分がある。このため、W層の構造の概要を知ることができる。S面の西部(S4−S12)ではW層は西から東へ緩く傾斜しているが、東部(S0−S3)では、ほぼ水平に堆積しているように見える(図6−2−2d)。W層は、V層だけでなくU層にも不整合に覆われるが、その不整合面の高度に20〜30cm程度の不連続が見られる部分がある(S4.2/0.8)。この構造は、そのすぐ東のUd層の変形と調和的である。