(3)V層

層は、Ud層直下の角礫層および砂層である。V層中の礫の最大礫径は20cm程度である。本層は、後述のW層を不整合に覆っている(N2.5/1.8など)。すでに述べたようにV層の上面は、Ud層と同様に波打っている。N面西部(N11.6−N13)においては、V層からW層へ伸びる「やまもも(常緑広葉樹)」の根が残存している。樹種の鑑定は、曾塚 孝氏(梅光女学院大学参事・前福岡県高等学校理科部会会長)による。

S面(段丘崖方向)では、本層は東部のUd層直下において僅かに認められるだけである(S0−S3)。その分布高度は、S面で高く(1.2−1.3m)N面で低い(1.6m前後)。また、E面においては北部では1.5m程度で一定であるが、E4付近から南部へ高度を上げていく。このように、V層は下位のW層を不整合に覆い、谷底(N面およびE面北部)ではほぼ水平に堆積しているが、谷壁方向へ高度を上げながらせん滅してゆく礫層である。以上の特徴から、V層は調査地点の谷底面の構成層であると考えられる。