5−2 志井地区

本地区では、バイブロコアリングを3地点で実施した(図3−22)。バイブロコアリングは、バイブロハンマーによりアルミ管を連結しながら地中に打ち込む方法であり、そのシステムは4トン(2トン)トラック、24kw発電器とバイブロハンマー(5馬力,450kg)から構成される。断層位置を推定するためには、簡便で安価な手法である。

まず、層厚100cm程度の表土・盛土があるため、バックホウにより表土・盛土のはぎとりを行った後、コアリングを行った。西側から、SB1(1.45cm)・SB2(4.8m)・SB3(4.4m)の試料を採取した。それらの地質柱状図を図5−2に示す。

コアは、岩相によって、上から第1層〜第3層に区分できる。第1層の層厚は約1mであり、下部は火山岩の角礫から構成され、級化層理を示し、上部では緑灰色粘土層となる。第2層は、ホルンフェルス角礫を含む礫質砂層であり、層厚は約2mである。第3層は、赤褐色の強風化火山岩礫を含む礫質砂層であり、層厚は1m以上である。第3層は、風化・破砕の進んだ基盤岩である可能性がある。

SB2とSB3では、第3層上面深度に明瞭な相対的変位はない。ところが、SB1では、第3層の強風化火山角礫岩(基盤岩)を古土壌が直接被覆しており、SB2・SB3でみられた第1層・第2層は欠如しているように見える。したがって、小倉東断層はSB1とSB2の間に存在すると推定される。