(1)上富野(L1)

この地区の比抵抗分布は、後述する他の2地区とは異なり、明瞭な低比抵抗領域は見られない(図4−6−1)。測点40より東では地表付近は120Ωm以上の高比抵抗が厚さ1〜2mで分布しており、その下に40Ωm以下の層が分布する。測点 30〜40付近では、この層は西に向かって浅くなる傾斜を示す。この低比抵抗層の下に60Ωm以上の高比抵抗層が測点25より西側で見られるが、測点30〜40の間で西側が浅くなる傾斜を持っている。測点15〜25付近で掘削されたトレンチの結果によると(Y参照)、西傾斜の小さい逆断層が測点20付近に見られた。測点20付近では、東側の地層が上方に変位しているようすが見られるが、トレンチで見られた断層とは傾斜が異なるのでその断層に伴う変位ではないかもしれない。トレンチの西側で見られた地層の東側への傾斜は測点25〜40の間で見られ、これが断層の活動に伴う撓曲である可能性がある。