4−1 探査方法

測定場所は、小倉東断層推定位置の中でトレンチ調査予定地点として選定された、上富野(L1)・志井(L2)・母原(L3)である。(図4−1)。

電気探査で使われる電極配列の例を図4−2に示す。それぞれ地下構造に対する応答に特徴があるが、今回の高密度電気探査では図4−3に示すウェンナー型及びエルトラン型の2種類の電極配列で行った。これら2種類の電極配列に対する見掛比抵抗を用いることにより、垂直構造にも水平構造にも十分な感度が得られる。

比較的浅い地層(第四紀層)の変化を把握する目的のため、探査深度は深度15m程度とし、電極間隔は1mとした。測線長、電極間隔等の探査仕様は表4−1に示した。

今回の測定に使用した電気探査機器を、表4−2に示す。今回の探査では、市街地や送電線近くでの測定が計画されたので、それらによるノイズの対策として、できるだけ多くの電流を流し測定値を大きくすること、および測定電位波形をスタッキングすることに留意した。

現場での探査は、ボーリングやトレンチ調査の実施前の1996年8月8日〜10日に志井地区(L2)および母原地区(L3)で各1測線ずつ、10月30日〜11月2日に上富野地区(L1)・志井(L2)・母原(L3)で各1測線ずつ実施した。その後、11月末までにデータの整理、二次元インバージョンを行った。調査数量は表4−1に示す。

探査は、北九州市活断層調査実行委員会物理探査班が計画・実行したが、現場作業は国際航業株式会社 九州事業本部地質部が担当した。

表4−1調査数量表

表4−2 使用機器一覧表