3−3 断層変位地形
現在人工改変が進んでいる地域においては、断層変位地形が保存されていない可能性が高い。このため、終戦直後に米軍によって撮影された空中写真によって地形判読を行い、小倉東断層に沿って断層変位地形を確認し、断層の地表でのトレースを明らかにした(図3−1,図3−2)。なお、都市化の進行によって断層変位地形が消失している地域に関しては、都市化以前に撮影された空中写真をもとに、地形の復元を試みた。小倉東断層の一般走向はNNE−SSWであるが、北端部付近ではNE−SWに転ずる。断層崖はほぼ南北方向に15km程度ほぼ連続している。断層付近においては、H面と扇状地性のL面段丘面に変位が認められ、西側が相対的に隆起している(図3−2)。断層線を境に扇面の上流側(東側)が相対的に沈降しているため、東方の足立山塊との間に東西幅数百mの地溝状の地形が形成されている。