CDP編集後、地下の一点からの反射点について、反射波の反射時間(T)と発振点/受振点間の距離(オフセット距離 X)の関係はその反射点まで波の速度(V)とは、以下の関係(双曲線)がある。
T=root(T0 + X**2/V**2) T0:オフセット距離 0 の反射時間
この関係を用いて、種々の速度 V を仮定して、オフセット X の反射時間 T の補正(NMO補正)を行うと、真の速度を与えた時のみ、反射波は同一時間 T0 に並び、これを足し合わせる(重合)することで雑音の少ない反射波を得られることになる。
CDP重合により、信頼度の高い地下反射面の構造形態が得られると同時に、地表から反射面までの速度情報も得ることができる。
CDP重合法の実際のデータ解析において基本となるのは、
*発振点・受振点座標等の測量データ
*現場磁気テープ上の記録の発振点と受振点の関係
等を的確に扱うことである。CDPは、これらを用いて定義でき、CDP編集が行える。
図4−1に本調査の発振点・受振点位置(最終測線図)とCDP重合測線を 1:25,000 の地形図に重ね書きしたものを示した。本調査測線の重合測線として、12.5m間隔に合計1370CDPが定義できた。
個々の記録に対する補正処理としては、
*地形・表層構造による反射時間(走時)の補正(静補正)
*発振点・受振点の波形特性の補正(デコンボリューション)
*重合後の種々フィルタ操作
*傾斜面をCDP直下の位置にい補正する処理(マイグレーション)
等を行い、最終深度断面図を得た。