小田和川支流沿いには南北両側の丘陵地に挟まれて、西北西−東南東方向に幅約100m、標高25〜40mの完新世の河成段丘が分布し、水田や畑地として利用されている。空中写真判読の結果から北武断層は、調査地東方の善応寺北側の急崖から三浦正八幡宮〜崩壊跡地へと東南東−西北西方向へ、地形に段差や急崖が認められる支流北側の丘陵地裾部に分布が想定される。
調査地点周辺の地質は、丘陵地を構成する逗子層と丘陵裾部から低地の基盤をなす衣笠泥質オリストストロームからなり、両者は北武断層により接していると推定されるが、断層露頭は確認していない。それらの上位に、低地部では河成堆積物、丘陵裾部では崖錐性堆積物が分布する。
河成堆積物は泥岩礫・砂・粘性土などを主体とした未固結堆積物、崖錐性堆積物は主に逗子層起源の砂礫を主とする未固結堆積物である。
図6−1−1 No.2地点付近の北武断層位置(縮尺1:5,000) (付図2−1断層変位地形図より抜粋)
図6−1−2 調査位置詳細図(No.2地点)