トレンチ南端で認められた断層の“切った覆われたの関係”および完新世河成堆積物の層序、14C年代などを考慮して、断層活動について述べる。東側法面では断層はC層を切ることはわかったが、それより新しい地層を切っているかどうかは不明であった。しかし、西側法面の観察の結果、 断層は明らかに完新世河成堆積物のC層(1700〜1400yBP)を切り、C層より新期の地層であるB層(1300〜1200yBP)を切っていない。 したがって、断層活動はC層堆積後、B層堆積前すなわち、1400〜1300−1200yBPである。
本地点で確認された断層活動はこの1回なので、1400〜1300−1200yBP が最新活動時期であり、再来間隔は不明である。なお、完新世河成堆積物を切っているので、活断層としての確実度は活断層研究会(1991)の区分に従うと、Tで活断層としての存在が確実となった。