北武断層は東側法面および西側法面のほぼ中央付近で見出された。断層面は、N56°〜57°W,60°〜70°NEの走向・傾斜をもち、幅0.2〜15cm の暗緑灰色の粘土を伴う。上盤側に逗子層が、下盤側に葉山層群衣笠泥質オリストストロームが分布する(写真3−2、写真3−2−1 a,b,c)。
逗子層側はシルト質砂岩の互層からなり、幅7〜8mにわたって、強破砕質である。一方、葉山層群側は幅30m内外にわたって、鱗片状〜細片状をなす泥岩からなる。この露頭では、北武断層が基盤岩の葉山層群と逗子層を境する断層として確認できた。しかし、基盤岩より新しい地層が上位に分布していないので、活断層であるかどうかはわからなかった。
断層位置は太田・山下(1992)の位置に合致している。
写真3−3に、NTT研究開発センター西方約0.6kmの丘陵斜面(北向き)で確認された断層破砕帯(北武断層)を示す。破砕帯の幅は50m以上と推定される(図3−2−4)。
図3−2−2京急リサーチパーク造成地 露頭観察位置
図3−2−3 スケッチ
写真3−3 断層破砕帯
図3−2−4 断層破砕帯位置図*(縮尺1:5000)