(2)No.2地点(横須賀太田和)

No.2調査地は、小田和川中流域で東方に流下する小田和川支流の左岸側で、丘陵地裾部の旧崩壊跡地末端部付近に位置している。小田和川支流沿いには、標高25〜40mの完新世の河成段丘が分布する。空中写真判読の結果から北武断層は、支流北側の丘陵地裾部に東南東−西北西方向へ連続して想定される。

調査地の地質は、丘陵地を構成する逗子層と丘陵裾部から低地の基盤をなす衣笠泥質オリストストローム層からなり、両者は北武断層により接している。それらの上位に、低地部には河成堆積物が、丘陵裾部には崖錐性堆積物が分布する。

調査ボーリングは、4箇所で実施した。ボーリング調査の結果、崖錐性堆積物及び河成堆積物が確認されたが、年代測定資料は得られなかった。

断層位置は空中写真判読、現地地質踏査、ボーリング調査によりいずれもほぼ同位置に葉山層群と三浦層群との境界として推定された。

断層の活動性については、年代測定試料が局所的に分布する地層からしか得られず、近接したボーリング孔での地層の年代対比が困難で、また付近の地層の露出状況も悪いため、言及できず不明である。