さらに北西の日向断層(徐,1995)や平山断層(Ito et al.,1987)は御殿場泥流(約2600年前)に覆われており、曽我原で確認された断層活動1(650〜900年前)、断層活動2(約2000年前)には活動していない。しかし、これらの断層は更新世後期〜完新世に活動しており、曽我原の断層活動3(約2600年前)や断層活動4(2600〜4000年前)で活動しなかった証拠はない。たとえば、平山断層では2670〜2740y.B.P.の断層活動が報告されている(Ito et al.,1987)。そこで、最大限に国府津−松田断層の範囲を考えれば、国府津−松田断層、松田北断層、日向断層、平山断層の北半部を一連の断層とみなす(図9−1)。その長さは国府津から山北町平山の断層露頭付近までの約16kmである。また、国府津−松田断層の南延長は相模湾海底に至るが、海底についての調査は行っていない。国府津−松田断層の長さは16km以上である。