(1)A層
A層は上位の耕作土層と下位のスコリア層に細分される。層厚は60cm前後である。耕作土層は、トレンチ北側で厚く堆積し、南側に向かうにつれ層厚が薄くなる。これは扇状地の傾斜方向に一致している。耕作土層下部には直径0.5〜5cm程度の亜円礫〜円礫を含んでいる。下位のスコリア層は、直径0.2〜0.5cm程度の黒色を呈しており、岩層からF−Ho(富士宝永スコリア:AD1707年)に対比される。スコリア層中には柱状の明褐色ローム層の充填が見られ、W4.5およびW5.5付近では上部がほぼ水平に切られて、地すべり状に最大10cm程度変形しているのが確認できる。