3−4−1 文献調査

松田山山麓断層は松田町松田惣領から山北町向原に至るWNW−ESE走向の急斜面である。北側の足柄層群からなる山地と南側の台地とを境している。山崎・町田(1981)は松田山山麓断層の低下側に並ぶ台地を構成する礫層を松田礫層と呼び、その中にHk−TPflやOn−Pm1が挟まれることを報告した。この地層は松田山山麓断層の山麓に発達した扇状地堆積物であるが、現在は段丘化していることから、松田山山麓断層は約13万年前から活動を始め2〜3万年前に活動を停止したと考えられている(山崎・町田,1981;Yamazaki,1992)。そして、2〜3万年前以降は南側に並行する松田北断層に活動の場がジャンプしていると考えられている。活断層研究会(1991)は山崎・町田(1981)をうけて、松田山山麓断層を確実度Uとして図示した。山崎(1994)は「開成町町史」のなかで松田山山麓断層と松田北断層の活動史を説明している。宮内ほか(1996b)は松田山山麓断層は推定活断層と図示している。