3−1−3 大磯型地震に関する議論
松田ほか(1974)は大磯丘陵と房総半島南端の完新世海成段丘の高度はほぼ同じであるが、関東地震の大正型地震と元禄型地震の隆起量の和は大磯丘陵に比べ房総半島側のほうが2倍大きいことから、相模トラフで発生する地震とは別に、大磯丘陵を隆起させ、国府津−松田断層の断層崖を成長させる大磯型地震を想定した。太田ほか(1982)は大磯丘陵に分布する3段の完新世海成段丘が国府津−松田断層の活動(大磯型地震)に関係していると考え、押切面の年代として1020±160y.B.P.(未補正)を報告している。松田(1993)は国府津−松田断層の活動は北側の神縄断層などへも続き、丹沢山地の隆起も説明できると考えた。