2−1−6 平山断層

平山断層に関しては、山崎(1971)、伊藤ほか(1982)などは、山北町の酒匂川沿いにおいて、段丘礫層を切る逆断層(走向・傾斜はNNE−SSW・60S)露頭について報告している。

天野ほか(1984)は、南足柄市の内川沿いにおいて、箱根古期外輪山を変形させる断層露頭について報告しており、平山断層は左横ずれ成分を持つ北西側隆起の逆断層としている。

Ito et al.(1987)は、酒匂川沿いの断層露頭調査を行い、変位量と断層活動時期についてテフラ層序を用いて求めている。それによれば、断層活動時期に関しては、21.5kaの間に5回の断層活動を認めている。変位量は、時代が新しくなるに連れて減少する傾向があるとし、断層活動の休止期間は、時代が新しくなるにつれて長くなる傾向があるとしている。さらに、平山断層の最新活動時期は、御殿場泥流堆積以前の2,740〜2,670y.B.Pと求めており、これまでの神縄・国府津−松田断層帯の評価と調和的である。