5−2−3 最新活動時期

東側法面で確認される最新活動時期は、約20,000〜22,000y.B.P.である。一方、西側法面で確認される最新活動時期は約4,000〜22,000y.B.P.であり、東側法面に比べて年代幅が広い。

トレンチの東西両側法面で確認された断層は、基盤層、F層およびE2層を確実にせん断しており、東側法面ではD層に、西側法面ではB層に覆われている。東西両側法面における最新活動時期は、E2層の年代である22,000y.B.P.より新しいという点で一致する。

トレンチの西側法面ではD層およびC層が侵食され、断層を覆う地層はB層となる。したがって、西側法面の最新活動時期は、欠如しているD層およびC層の年代を含むため、年代の幅が広くなっている。しかし、トレンチの東西両側法面で確認された断層活動は1回で、E2層をせん断するという点では共通しており、両法面でみられた上位の活動が同一のものである可能性が大きい。したがって、菊名トレンチにおける最新活動時期は、約20,000〜22,000y.B.P.となる。なお、西側法面の断層追跡溝でみられた断層変位の状態から、その以前にも複数の活動があったと思われるが、時代を特定できない。