表3−2 衣笠・北武・武山・南下浦断層の活動期(太田:1999に本調査結果を加筆)
図3−3 衣笠・北武・武山・南下浦断層の活動期の要約(太田:1999に本調査結果を加筆)
上記のような調査結果から,太田(1999)は,衣笠,北武,武山の3断層の活動期について以下のように述べている。
@ 3断層ともに完新世に活動した活断層である。
A 北武断層の最新活動時期は1,200〜1,400yrsBP,武山断層の最新活動時期は2,000〜2,200yrsBPであり,両者は独自に活動した。
B 北武断層および武山断層の再来間隔は1,500〜2,000年である。しかし,個々の断層活動が連動している可能性があり,しかも地下では一つの断層に収斂すると考えられる。したがって,再来間隔をより短く見積もる必要があるので,両断層は次の活動期に近づいている。
上記のように衣笠,北武および武山断層は,完新世に活動し,それぞれ異なる最新活動時期を示す活断層であることが明らかにされている。
一方,菊名トレンチで得られた南下浦断層の最新活動時期は約20,000〜22,000yrsBPであり,完新世の活動を示していない。南下浦断層の最新活動時期は,北武,武山両断層の最新活動時期に比べて一桁古い年代であり,最新活動時期や再来間隔で見た場合,更新世末期から完新世における南下浦断層の活動は,衣笠,北武,武山の3つの断層と異なり,活動頻度は低いといえる。