(4)D層

D層は,東側のり面および南側のり面のごく一部に分布するシルトや砂,細礫などからなる互層である。粗粒層の基底では,下位層を削り込む部分も見られるが,粗粒層の連続は悪い。上位ではシルト分が優勢であるが,下位ほど砂・細礫の占める割合が多くなり,最下位では比較的礫径の大きい円礫層が分布する。このD層は,粒度組成の状態からD1層〜D3層に細分される。

@ D1層

この層はシルト分が優勢な地層であり,トレンチの東側のり面に分布するD層の上部層にあたる。層厚は1m弱で,層厚変化は小さいが,C3層に削り込まれる部分ではやや薄い状態となっている。また,この層は,厚さ20〜50cm程度の単層に区分することも可能であるが,全体に不規則な互層となっている。砂礫に含まれる細礫は風化の進んだ凝灰岩の礫がほとんどであり,シルトと砂の境界が不明瞭となっている箇所がある。

A D2層

この層は,D1層の下位にトレンチの東側から南側にかけてののり面に連続して分布する砂・シルト・細礫からなる不規則な互層である。層厚は約2mで,細礫層では下位層を削り込み,下位のシルト層をブロック状で取り込んでいるところが見られる。砂礫層の部分では,ラミナも観察される。また,部分的に弱い腐植層がレンズ状に分布している。

B D3層

D3層はD層最下部の砂礫層であり,トレンチの東側から南側にかけてののり面に分布する。層厚は10〜30pで,小〜細礫からなり,基質は砂質である。礫径5cm以上のチャートなども含まれ,礫は比較的新鮮である。