(4)トレンチ調査

トレンチ調査は,ボーリング調査や物理探査から推定される断層の位置・性状を検討し,トレンチ掘削の可否を決定した。

南下浦断層: ボーリング調査結果から初声層と宮田層が逆転した状態(逆断層)が確認され,また両層に25m程度の落差が確認された。電気探査でも初声層と宮田層の境界や落差が明瞭に認められた。用地の借用にも問題がなかったため掘削を行うことになった。

引橋断層: 土地造成による盛土が約6mあり,また沖積層は盛土による圧密沈下や変形が生じている。耕作地であるため,トレンチ掘削時期が平成12年7月頃となる。これらの事情から掘削は中止した。

南下浦断層におけるトレンチ掘削の規模は,掘削予定地の土地条件(土地用途条件,地形・地質条件,借用条件など)によって,掘削規模を縦:25m×横18m×深さ6.5mを計画としたが,断層の確認や地層の分布確認などから一部で深さ7m強となっている。