南下浦断層は第三紀末期から第四紀にかけて繰返し活動し,垂直変位に比べて横ずれ変位量の方が大きく,特に右横ずれは断層東部で明瞭である。活断層研究会(1991)によれば,南下浦断層の平均変位速度は,横ずれ成分が0.8m/1000年,垂直変位成分が0.03〜0.3m/1000年である。
太田ほか(1992)で示された南下浦断層の詳細図を図1−2および図1−3に示す。図1−2には,断層露頭,低断層崖,断層沿いの変位地形が示されており,断層東部の右横ずれの状況が明瞭である。
図1−3には,断層西部の仲田〜黒崎付近で三崎面下に埋没する南下浦断層の状況が示されている。
図1−2 南下浦断層東部の詳細図 太田ほか(1992)より引用
図1−3 南下浦断層西部の詳細図 太田ほか(1992)より引用