調査用地の境界を確認するにあたっては、関係する地権者等の立ち会い、もしくは了解の下に作業を進めた。
b 調査用地の平板測量
平板測量により調査用地の1/200の平面図(図15、図32)を作成した。標高は最寄りの基準点もしくは独立標高点を基準にして求めた。平面図には畑・道路・グランド等の現況を正確に記録した。
c トレンチの掘削
トレンチの掘削は、以下の要領で行った。
・トレンチ掘削箇所及び掘削残土の保管場所を定めた。
・農地を掘削する場合等は、耕作に必要な耕土をはぎ取り適切に保管した。
・掘削するトレンチの法面の傾斜は、原則60°としたが場合によっては45°とした。
・掘削した残土を危険のないよう、また復旧に支障をきたさないよう適切に保管した。
表2 トレンチ規模
d トレンチ法面の整形
掘削したトレンチの法面は、地層の観察ができるように人力で平滑に整形した。
e グリッドの設置
整形した法面に、観察・スケッチの座標として水糸を用いて、水平は距離1m間隔で、鉛直方向は斜面長1m間隔でグリッドを設けた。
f 法面の地質観察・スケッチ記録
整形した法面の地質を詳細に観察し、縮尺1/20のスケッチ図を作成し、記載した。成果は付図2「葛葉台トレンチスケッチ」及び付図3「なでしこ運動広場トレンチスケッチ」に示した.観察及びスケッチ図の作成は、次の要領で行った。
・地質の観察等は、肉眼で識別でき、かつ所定の縮尺でスケッチ図に表現できる精度に地層を単層単位に区分し、単層ごとの層相、変形構造、地層境界の性状、層位関係、断層、亀裂、液状化痕跡等について詳細に記録した。
・断層活動が生じた層準および地震動の痕跡を認定し、その根拠を記述するとともにスケッチ図に表示した。
g 年代測定試料等の採取
各法面での地層の観察・スケッチ及び記録が完了後、断層活動層準の年代決定に最適と判断される層準から試料を採取した。採取した試料は、試料の種類・トレンチ名・壁面名・採取位置の座標・試料番号等を記入したポリ袋に収納した。
h トレンチの埋め戻し・用地の復旧
トレンチの埋め戻しは、掘削残土を十分に転圧し、突き固めながら行った。また耕土の復旧は、トレンチの埋め戻し後に地盤が十分に固まったのを確認してから行った。用地の復旧終了後に、関係地権者から確認を得た後に、速やかに仮設物・工事機器等を撤去した。