(3)活断層の長さ・発生する地震の規模

活断層の長さを表1−5に示した.秦野断層・渋沢断層はともに長さは短いが,現在得られている活動度は鉛直方向だけでもA級となる.また変位の累積性も認められることから,今後活動の可能性がある活断層といえる.しかし,正確な平均変位速度,最新活動期などはともに不明であるので,現段階で発生する地震の規模を論ずることは難しい.

秦野断層・渋沢断層は,単独で地震を発生させる可能性もあるが,これらの活断層が,国府津−松田断層の活動と無関係であるとは考えられない.したがって,両活断層の活動時期は,プレート境界での地震発生時期を示す可能性も高い.どう関連するかについては,前者の活動期自体がまだ解明されていない現状では,これ以上論ずることは不可能で,両断層系の調査の進展を待って議論すべきものである.