2−4 調査地点及び調査範囲の設定経緯の概要
秦野盆地においては,盆地南縁部・北縁部のみならず,ほぼ中央にも活断層の存在が示されている.これらの活断層は,より南方の国府津−松田断層と関連する構造の現れである可能性が高い.いずれにしても,本地域に分布する活断層すべての活動度・活動履歴を評価しなければ,発生すると予想される地震の規模・時期を検討することは困難である.このため,調査地域は秦野盆地のほぼ全域とする (図1−1).まず,秦野盆地全域において地形面分類図を作成し,それらの編年を試みる.さらに,それらの地形面の変位を確認し,詳細な活断層トレースを示す.地形面の鉛直変位量は,盆地南縁部を限る渋沢断層,秦野市街地を通過する秦野断層,盆地北縁部の活断層を対象として計測する.秦野断層を境に南側が低下しているが,秦野断層の北側には北側が相対的に低下するような変形も連続している.この変形が典型的に認められる下宿付近も主要な調査地点とする.