したがって、ここでは平均変位速度(S)と1回の活動に伴う変位量(D)から、再来間隔(R)の推定を行う。Rは、Sをその地域の地殻歪み速度、Dを歪みの限界値と見なして、経験的にR=D/Sで求められる。本調査で得られたS=約0.2〜0.3m/千年とD=約1.0mを用いてRを試算すると、約3300〜5000年と推定される。
松田ほか(1988)31)によれば、約6000年前の海成層の上下変位量と約1100年前までのテフラ層の標高差との間に有意の差がないことから、Rは約5000年以上とされている。