@日向地区
立川期の扇状地礫層の傾動までは確実だが、トレンチ内の地層は圧密沈下を伴う撓曲変形であるため、単位変位量の推定は困難である。
A峰岸地区
峰岸地区の地形測量C断面では、武蔵野面上の完新世谷底面で1.5mの垂直変位量が推定される。これを1回の活動によるものと考えると、D=約1.5m(参考値)となる。
B北金目地区
最新活動時の変位量は、推定断層位置の東端B2−10から調査範囲内の西端B2−1間(断層変形帯に相当)で94cmであり、約1.0mと考えられる。
C岡崎地区(文献)
松田ほか(1988)31)によれば、D=1.6±0.6mとされている。
以上のように、今回の調査結果からみる限り、伊勢原断層の単位変位量はD=約1.0mと推定される。これは文献の結果とも矛盾しないが、伊勢原断層の南端部のデータによるもので断層全体の変位量は明らかではない。