@日向地区
主としてボーリング調査による礫層の全体変位量から、武蔵野礫層(Mg)〜宝永期(Ho)間で、S=8.6m/39750年=0.22 m/千年を求めた。ただし、これは日向川扇状地末端部の撓曲変形のみの値で、平野と丘陵の境界部の断層変位は含まれていない。
A峰岸地区
航測図化による地形測量から、立川面でS=4m/2〜3万年=0.13〜0.20m/千年と考えられる。
B岡崎・鶴巻地区
ボーリング調査結果によって確認された鍵層は、下末吉海成層上面(KlP−1期)、下末吉中部層のKmP−8相当の砂礫層上面及びTP層下面(ほぼ水平堆積と見なした場合の参考値)である。これらの鍵層の高度差と基準面の年代は、それぞれ、24.1m/12万年、16.7m/8万年、6.4m/5万年(参考値)であり、平均変位速度はS=0.20〜0.21m/千年(参考値0.33m/千年)となる。
C岡崎(駒形神社)地区
ジオプローブ調査によるTP層の撓曲変形から、推定値として、平均変位速度はS=8m/5万年=0.16m/千年(参考値)と求められる。
D岡崎地区(文献)
松田ほか(1988)31)によれば、平均変位速度はS=1.6±0.6m/5000年 以上=0.2〜0.4m/千年 以下とされている。
以上をまとめると、伊勢原断層の平均変位速度は約0.2〜0.3m/千年と考えられる。
これは松田(1975)65)の基準によると活動度“B級”に分類される。