(2)岡崎・鶴巻地区(B4−1,B3)

ボーリング調査地点を図2−4−11の平面図に、調査結果を図2−4−12の地層対比図に示す。

B3(鶴巻)・B4−1(岡崎)は、伊勢原断層を挟んだ2地点間における長期の変位量・平均変位速度を検討する目的で実施した。両孔とも孔底部に海成砂層(B3は貝殻密集)、上位に多数の軽石層を挟むローム層(下末吉相当)、さらに上部に新期ローム(武蔵野・立川)がある。最上部はFB相当の黒ボク土とみられる。新期ロームの下部にはTP、TP−fl層が認められる。また、B3の上部には広域火山灰ATが認められる。

B4−1は台地上のため、ほとんど欠落がなくテフラがほぼ連続的に累積している。一方、B3は沈降域のため、下部では水成堆積物が混入している。

変位量は、波打ち際*の様相を示す下末吉海成層上面(水平基準面:KlP−1期)、下末吉中部層のKmP−8相当の砂礫層上面、及びTP層下面(ほぼ水平堆積と見なした場合の参考値)を鍵層として、平均変位速度S=0.20〜0.21m/千年(参考値0.33m/千年)を求めた。

表2−4−5 変位量・変位速度の比較表

*(注)海浜性の細粒砂層中に円磨された軽石が散在するところから、堆積環境は波打ち際であろうと判断された。図2−4−11 ボーリング位置図<岡崎・鶴巻地区>

  −下段は上段の拡大図 下末吉面 沖積低地 下末吉面

下末吉面 沖積低地 下末吉面

図2−4−12 地層対比図<岡崎・鶴巻地区>