本地区は、大部分が沖積層に覆われ、地表踏査で断層変位地形や断層露頭を確認することは不可能である。地質平面図を図2−2−12に、地形・地質断面図を図2−2−13−1,図2−2−13−2に示した。
本地区では、地質精査のほかに浅層反射法探査、ボーリング、ジオプローブ調査、平面・水準測量、トレンチ調査を実施した(詳細な地質断面図は図3−1−5参照)。
<H−H´断面>
@伊勢原台地は、後述するボーリング調査により下末吉面であることが確認された。図上の下末吉ローム層の分布深度はこのボーリング調査の結果を使用した。
A伊勢原台地と大磯丘陵間の沖積層は、図示するように、完新世の海成層と陸成層からなり、ここでの海成層の最大層厚は約14m(基底の標高−15m)である。その下位に立川ローム層、立川段丘礫層及び下末吉ローム層が堆積していると推定される。
伊勢原台地と沖積面の下末吉ローム層の分布深度に高度差が認められる。沖積面側では下末吉ローム層の上面と下面は不明ではあるが、台地側の下末吉ローム層下面よりも低いことから、この間には断層変位が存在する可能性が考えられる。
B立川段丘礫層が伊勢原台地側に傾斜しているが、これが断層変位によるものかどうかは不明である
なお、図上に示した断層変形帯は、V総合解析により推定されたものを引用した。
<I−I´断面>
金目川の北岸沿いの断面である。立川段丘礫層の分布高度に、H−H´断面線の付近を境にして、東側と西側で2〜3mの高度差があるが、これが断層変位によるものか否かは明らかではない。
図2−2−12 地質平面図(平塚市北金目地区)
図2−2−13−1 地形・地質断面図(H断面)
図2−2−13−2 地形・地質断面図(I断面)