調査の結果、伊勢原断層の断層線を表示し、断層運動の判断根拠となった情報をもりこんで付図6を作成した。同図には、沖積層の分布、立川・武蔵野・下末吉・多摩の各地形面を表示した。活断層は「断層の位置・変位の向きともに明確な活断層」、「位置やや不明確な活断層」に区分し、南端部は調査の結果、断層変位による幅広い変形帯が確認されたため、「断層変形帯」と表示した。
(2)断層の長さ
従来、伊勢原断層の延長は津久井町青野原から平塚市北金目まで約20kmとされていたが、調査の結果、清川村煤ヶ谷以北については活断層とは認められないため、清川村煤ヶ谷から平塚市北金目までの約13kmである。
(3)断層の構造
伊勢原断層は、東傾斜50〜60°で東上がりの逆断層と推定された。また、地表下浅部では単一の断層線ではなく、複数の小断層に分岐するが、必ずしも地表近くの地層は切れずに、傾動したり弱い撓曲構造を示すと考えられる。