(1)地形判読(空中写真判読)結果

1961年ほかの空中写真による (付図2ほか参照)

大小の河川沿いには扇状地性の段丘が発達しており、空中写真判読によってこれらの段丘面を多摩面、下末吉面、武蔵野面、立川面の4面に区分した。

調査地域北部の津久井町青野原から清川村煤ヶ谷の間は、断層変位を示す地形は確認されなかった。本調査ではこの地域に分布するリニアメントを活断層とは認定しなかった。

柳梅の小鮎川東岸の崖錐堆積斜面末端部に、高さ2〜3m、北西−南東方向(北東側上がり)の低断層崖が確認された。また、すぐ南側の鞍部と谷底面にも連続する低断層崖が確認された。厚木市川端と馬場の立川面では、低断層崖と考えられる崖地形と、東側が微妙にふくらむ東上がりの撓曲崖がみられた。

日向川の南の日向地区では、東に傾斜する立川面相当の扇状地が分布し、その扇端部付近に比高1m程度のゆるい崖と西側に向かって逆傾斜する撓曲崖が確認された。また、伊勢原市峰岸付近の立川面にも撓曲崖が確認された。

伊勢原台地西縁には、断層崖と思われる崖が連続しているが、侵食が進み、本調査では断層変位地形は確認されなかった。

伊勢原台地以南は鈴川および金目川の氾濫原が発達し、断層変位地形を見いだすことはできない。また、大磯丘陵では丘陵の東縁に沿って活断層の「公所断層」に相当する低断層崖がみられる。