なお,宇都野々セグメントの鍋野川左岸地点においては,入戸火砕流堆積物(約2.5万年前)基底面に約9mの高度差が認められる。この高度差を断層による鉛直変位量とみなした場合, 宇都野々セグメントにおける平均変位速度は 0.36m/103年となり,上記内木場セグメントにおける平均変位速度に比べて大きい値となる。これは,入戸火砕流堆積物が崖地形を埋積し,見かけ上,変位量が大きくなったためと考えられる。