内木場セグメントにおける最新活動時期は, 平成10年度のトレンチ調査により,アカホヤ火山灰降下以前の約6000年前以前と推定されたが, その精度が良いとは言いがたいため, 平成12年度に再調査を行った結果,アカホヤ火山灰層降下以降の約6300年前以降,約700 年前以前に最新の断層活動があったことが明らかとなった。
なお,平成10年度調査においては,宇都野々セグメントの君名川トレンチにおいて,断層の低下側に分布する約5800y.B.P.の礫層に断層活動を示唆する現象が認められないことから,確実性が乏しいものの,最新活動時期を約5800y.B.P.以前と推定した(図3−12)。しかし,平成12年度に実施した日添トレンチ及び内木場東トレンチの調査結果によると,断層による地層の変形や擾乱は主断層面近傍の幅の狭い区間に限られており,このことを考慮すると上記の君名川トレンチにおける約5800y.B.P.の礫層の変位の有無は不明と解釈を変更する必要がある。したがって, 宇都野々セグメントにおける最新活動時期は不明となる。