T層は, 主に固結度が高い礫層からなる。クサリ礫を多く含み,礫種は四万十層群起源の砂岩,頁岩が卓越する。T層の下部には火砕流堆積物が挟在しているものの, その対比は不明である。堆積年代に関する確実なデータはないが,固結度等から中部更新統と推定される。
U層も,主に固結度が高い礫層からなる。クサリ礫を多く含み,礫種は肥薩火山岩類起源の安山岩が卓越する。T層と同様,堆積年代に関する確実なデータはないが,T層と同様中部更新統〜上部更新統下部と推定される。
V層は, 主に半固結〜未固結の礫層からなる。中部に入戸火砕流堆積物(約 2.5万年前)を挟在することから, 後期更新世末期の堆積物である。
W層は, 主に礫混じりの砂質シルトからなる。中部に挟在する腐植質シルト層の14C年代が約 11000y.B.P.〜約6500y.B.P.の値を示し, 上部にアカホヤ火山灰層(約6300年前)が挟在することから, 後期更新世最末期〜完成世前半の地層である。
X層は, 主に未固結な礫層,腐植質シルトからなり,腐植質シルト層の14C年代が約 400y.B.P.〜現世の値を示すこと及びその分布状況から, 現河床に堆積した近世以降の堆積物である。