ボーリング調査結果によると,図3−9に示すように,地形上の断層推定位置(急崖の基部)に,基盤の四万十層群中に断層破砕部が確認された。
基盤の上面及び入戸火砕流堆積物の下面はいずれも,断層の北側では地表面と同様にほぼ水平であり,断層の南側では40°程度の勾配で北傾斜を示しており,この傾斜変換点は,地形上の断層推定位置に対応している。しかし,入戸火砕流堆積物の上面は断層の両側でほぼ水平に連続しており,入戸火砕流堆積物は基盤にアバットする分布形態を示している。
このことから,本地点では,断層は入戸火砕流堆積物に変位を与えていない可能性も考えられた。しかし,平成10年度のボーリング調査の精度では,入戸火砕流堆積物における断層変位の有無を確かめることはできなかった。