本地点のルート・マップを図4−23,地形断面図を図4−24に示す。
本地点では, リニアメントの北西側には少なくとも地表面下約2m付近までは入戸火砕流堆積物が分布していることが確認され(図4−23の写真1), リニアメントの南東側には四万十層群が分布し, 急崖基部付近には礫層が認められる。
本地点では, 入戸火砕流堆積物と断層との関係を確認することを目的に, 図4−23に示す位置で, ボーリング調査を実施した。ボーリング調査結果を図4−25に示す。
Kg−4孔, Kg−7孔, Kg−6孔, Kg−1孔及Kg−2孔においては, 堆積物の基盤は四万十層群の破砕粘土であり, その両側では非破砕の四万十層群である。四万十層群の破砕粘土は, 上記の内木場トレンチで確認されたものと類似していることから, Kg−4孔−Kg−2間に出水断層帯が存在する可能性があると推定されるものの, これらの基盤を覆う堆積物には, 有為な不連続が認められない。堆積物から年代試料は得られなかったが,堆積物の直上部には入戸火砕流堆積物が確認され, 堆積物は全体的に赤褐色を呈し,固結度も高いことから, 堆積年代はかなり古いものと推定される。
したがって, 本地点に内木場トレンチで確認された断層が連続しているとすると,本地点においては, 少なくとも入戸火砕流堆積物堆積以降における活動がなかったことになる。しかし, 内木場トレンチ及び内木場東トレンチで確認された断層の延長が,本地点の北側あるいは南側に存在する可能性も否定できない。