さらに,平成9年度調査結果によると,「鹿児島湾西縁断層」は,現海岸線のさらに東方の海域に存在する可能性が指摘され,中条・村上(1976),早坂(1987)等によると,鹿児島湾内には湾の中央部を地溝構造とするステップ状の断層が示されている(図3−10,図3−11)。
以上のことをを踏まえて,@より新しい地層における変位の有無を明らかにすること,A地質データがほとんど得られていない沿岸部の地下構造を明らかにすること,B断層が東方の海域に存在する可能性もあることなどを考慮して,河口部からより沖合にかけてのより広い範囲における地下構造を明らかにすること,さらに,C陸域と海域の地層対比及び地質構造の連続性を確実にすることなどを目的として,まず,反射探査を実施し,地下構造を明らかにした上で,その結果を考慮してボーリング調査を実施した。