4−2−7 地震危険度

中央値をとると、要注意度(T/R)≒0.4で、松田(1981)の要注意断層には当たらないようである。

今回の調査では、長尾断層の過去2回分の活動履歴から活動間隔を推定しており、周期性が確認されたわけではないものの、現データでは、次の地震まで5,000〜20,000年の余裕があるため、長尾断層による直下型地震の緊迫度は小さいと判断される。

また、本調査によって長尾断層の地震危険度は低いと考えられるが、本県に被害を与える主な地震としては、長尾断層の他に南海トラフにおいて90〜150年間隔で発生する地震や徳島県から愛媛県にかけて走る中央構造線活断層系による地震が想定されている。中央構造線活断層系については、平成8年度から活動履歴に関する本格的な調査が開始されている。今後は、その調査結果も視野に入れ、本県の地震防災について対策を進めていくべきものと考える。

図4−2−1 長尾断層の分布形態

図4−2−2 長尾断層と鮎滝断層の地下構造模式図

図4−2−3 長尾断層の活動履歴

図4−2−4 活断層詳細図(1)

図4−2−5 活断層詳細図(2)

図4−2−6 活断層詳細図(3)

図4−2−7 活断層詳細図(4)