4−2−1 活断層としての長さ

長尾断層の活断層としての長さは、変位地形および変位地形の可能性のある部分として、香南町西庄〜大川町南川の間約20kmと評価できる(図4−2−4図4−2−5図4−2−6図4−2−7)。

活断層としての長尾断層は一つづきの断層ではなく、その分布形態から大きく2つのセグメントに分割することができる。西セグメントは、香南町西庄から高松市東植田町二子山までの約11kmの区間である。また、東セグメントは、三木町田中〜大川町南川までの約9kmの区間である。この2つのセグメント間には約500mの左ステップがある。

長尾断層は逆断層であるが、比較的中〜高角度の断層面をもち、条線から右ずれ成分を伴うと推定される。この左ステップの部分は、圧縮性バリアに対応する可能性がある。

なお、鮎滝断層は、北傾斜の逆断層で、地下では長尾断層に合流する可能性が高い。

また、延長も短く、長尾断層の逆断層運動による上盤側の歪を解消する断層として、長尾断層活動時に付随して活動した断層と見ることも可能である。このため、鮎滝断層の活動時期、地震規模については、長尾断層の調査で検討することが可能であろう。