(1)火山灰分析
火山灰分析によると、トレンチの腐植土層の上部から上位の地層で純度の高い姶良Tn火山灰が検出される。したがって、腐植土層堆積中に同火山灰の降灰があったと推定される。また、本トレンチ内の堆積物は、地表部を除き鬼界アカホヤ火山灰(K−Ah)を含まないため、基本的には鬼界アカホヤ火山灰降灰前の地層である。ただし、MT−T6の最上部砂層を覆い割れ目に入り込んでいる火山灰質シルト層は鬼界アカホヤ火山灰を含んでいる。これは、断層活動後に降灰した可能性と降灰後の地震によって割れ目に落ち入れた2つの可能性が考えられる。したがって、本トレンチの堆積物は基本的には姶良Tn火山灰降灰前後の最終氷期の堆積物と考え、地形判読結果を支持している。