三豊層群は半固結の砂礫層・シルト粘土層からなり、N70°Wの走向で北へ50〜70°傾斜している。 同層群中には層面すべりに起因するN50°W・70°Nの走向・傾斜をもつ小断層が形成されている。
花崗岩類は熱水変質によって著しく白色粘土化している。 本岩中にはN75°W・32°Sの走向・傾斜をもつ小断層が形成されている。
上述の地質状況から、長尾に相当する断層は擁壁の部分にあると推定される。また、擁壁の北側の旧吉田川堆積物の基底は、南側より2m程度低下しているようである。しかし、本推定断層の延長部の地表面(沖積面:旧吉田川河床面)には、変位地形を示す低崖は形成されていない。
図3−3−2 三木町氷上石塚地点地形・地質分類(1/2,500)
(上)急傾斜する三豊層群シルト層中に形成された小断層(N50仝の走向で70*k傾斜)
(下)熱水変質した花崗岩中に形成された小断層(75仝の走向で32・南傾斜)