3−2−6 試料分析

長尾町塚原地点におけるボーリングコアから試料を採取し、14C年代測定および火山灰分析を実施した(表3−2−2表3−2−3図3−2−9)。

火山灰分析結果によれば、LV段丘堆積物上部のシルト質砂層(S1層)は鬼界アカホヤ火山灰降灰後の堆積物で、下部の礫層(S2層)は降灰前の堆積物である可能性を示す。

しかし、14C年代測定によれば、S1層からは990±50年B.P.、S2層からは2,230±40年B.P.の14C年代が得られている。これによれば、S2層鬼界アカホヤ火山灰降灰後の堆積物と考えられる。

両者の分析結果は、矛盾している。これは、S2層が粗粒のため火山ガラスが発見できなかったか、14C年代が現在の炭素の混入によって大きく若返ったか、2つの可能性がある。地形判読によれば、本ボーリングを実施したLV面を構成する堆積物が、2,000年前より新しい堆積物を主体としているのは、考えにくく、14C年代の若返りの可能性が大きいと思われる。

表3−2−2 長尾町塚原地点14C年代測定結果

表3−2−3 三木町塚原地点火山灰分析結果

図3−2−9 長尾町塚原地点火山灰分析結果