電力中央研究所によるボーリング調査によれば、香南町岡において三豊層群の基底に約60mの高度差がある。これは1回当たり、平均1.5mの垂直変位があったとして、約40回分の累積変位を示している。即ち、当地点における長尾断層は第四紀の後半に繰り返し活動して、地震を発生させていると推定される。
特に、第四紀後期の活動をとっても、M面形成後(13万年以降)複数回(7±1回)の活動が想定される。これは、1回の地形面の鉛直方向変位量(上下方向)をLU面の1mと仮定して求めたものである。
当地点における長尾断層の活動履歴は、地形面の変形および電力中央研究所によるトレンチ調査によって、以下のように推定できる。
@最新の活動時期 :鬼界アカホヤ火山灰降灰以前(約6,300年前以前)1.8万年前以降
A1つ前の活動時期:1.8万年前以前
B地形面の変形量 :鉛直高度差1m+α(たわみあり)